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# リリース |
+ ゼロポジション |
+ ターゲッティング |
+ 腕の回旋(RSSC) |
+ グローブの使い方 |
# ゼロポジション |
まず、投手にとってもっとも大事な事とも言える、ゼロポジションについて説明します。 |
もはやこのゼロポジションを知らない投手はごく少ないかとおもいますが、 |
もし知らなかったのであれば、ぜひこの機会に覚えましょう。
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まずゼロポジションとは簡単に言えば肩のナチュラルな位置のようなもので、 |
投球動作ではこのゼロポジションを極力維持していることが望ましいです。 |
さらに詳しく知るための専用ページもありますので是非参照ください。 |
ではまず、そのゼロポジションを体感・確認してみましょう。
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はじめに、頭の後ろで両手を組みます。のび太がねっころがるときにするあのポーズです。 |
その状態でスッと両腕の力を抜きます。手は頭につけたままです。 |
すると腕が軽くダラーンとして、肘が顔の横付近に位置しているとおもいます。 |
その位置がゼロポジションです。なんとなく肩が楽な気がするかも・・・です。 |
その位置を覚えましょう。ワインドアップでこの位置を確認してから投げるのも良いでしょう。
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では、最も重要なリリース時におけるゼロポジションを見てみましょう。(図1) |
図1 リリース時のゼロポジション |
少しわかりにくいのですが、これらがゼロポジションです。 |
まず、横から見た場合、肩よりも少し前、つまり肘が出ている事と、 |
前から見て肘が肩と平行あるいはそれより少し上のライン上にあることです。
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投球の大原則、肘を肩より下げないことがゼロポジションでの投球の基本です。 |
プロのリリースを見れば、どんな投手もほぼ例外なくこのポジションであるはずです。
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サイドスローやアンダースローも、背中の軸の傾きが違うだけで、位置は同じです。 |
どんな投げ方であれ、たとえそれが内野手であろうとも、投球時にはこのゼロポジションであることが |
ハイパフォーマンスを引き出すため、怪我防止のためには必要不可欠なのです。 |
このゼロポジションで投球さえできていれば、まぁまず肩肘を壊すことはありません。
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また、よくある例として、自分ではオーバースローで投げているつもりでも、周りからサイドスローに |
見えると言われれば、ほぼ間違いなく肘が下がっており、ゼロポジションでの投球ができていません。 |
肘が上がらない!どうすれば上がる?
肘を上げて投げるということは基本ですが、以外にもできない、あるいは一時的にできなくなることがあるのです。
管理人もその経験者です。普通に投げていたつもりでも「肘が下がっている」といわれ、意識して高い位置で投げても
「まだ下がっている」といわれ、無理してあげれば制球が乱れ、肩などを痛めてしまいます。
肘下がり症はかなり厄介です。原因は大体決まっており、テイクバックの際腕を背中側にひきつけすぎていたり、
投球のリズムが悪く、腕が上がっている(トップに持っていく)途中なのに上半身がスピンし、
肘が下がった状態でリリースしてしまうなどがよく見られる原因だとおもいます。
まずは、トップをしっかり作ることが解決への近道です。 |
# ターゲッティング |
リリース前後ではターゲッティングなるものが必須です。 |
ターゲッティングとは、リリース前後時に肘が投球方向を指すような動作が表れることを言います。(図2) |
図2 肘先端部が投球方向を指すターゲッティング |
これはあくまで「表れる」のであって、意識的に行うべき動作ではありません。 |
ターゲッティングのクリア条件は |
1.肩・腕がゼロポジションを維持していること(大原則!) |
これだけです。まずゼロポジションでなければ意味がありません。
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肘先行の腕、前傾の上体、下半身によって体全体でCの字(逆Cアーチ)を描いているのが |
ターゲッティングの本来の姿です。(図3) 形だけを真似してもゼロポジションでなければ |
肩や肘にとって非常に危険な投球動作であり、絶対に行ってはならないことです。 |
図3 体全体でCの字を描く逆Cアーチ
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形を意識してつくるのと、逆Cアーチのことを意識するのとは違います。 |
「今日は逆Cアーチがうまくできていないからゼロポジションをしっかり意識しよう」と考えるのは |
いいのですが、「逆Cアーチがうまくできないからどうにか形を作って投げよう」は |
まったくの無意味です。「ゼロポジションでの投球」である事がターゲッティングの本当の目的です。
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では、どうすれば逆Cアーチがうまく行えるのかというと、コツがあります。 |
まず腕の角度を90度前後に保つこと、そしてゼロポジションでの投球を意識することです。
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決して意識的に肘を先行させるような意識はしてはいけません。 |
どちらかと言うと、肘を先行、ではなく、肘から先を遅らせると言った方が感覚的には近いと思います。 |
# 腕の回旋(RSSC) |
ではここで、投球時における腕の回旋、RSSCについて少し詳しく説明します。 |
RSSCの基礎的なことについては専門ページで解説してあるので、ここでは投球時を例に挙げます。
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テイクバック前半、バックトップの時には腕を内捻りさせておきます。あくまでナチュラルな範囲でです。 |
そしてテイクバックで引き上げながら徐々に腕を外捻りさせます。 |
トップの段階まで来ると、最大限の外捻りに達します。ここでゼロポジションでないと意味がありません。 |
ここでRSSCが本格発動し、外捻りであった束になった筋がSSCによって捻り戻されます。 |
繰り返しますが、腕はRSSCによって捻り戻されながらスイングされて、フォロースルーに達します。 |
それが結果的にハイパフォーマンスなスイングになります。ただ腕が回旋してるのではありません。
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つまりこれらはRSSCによって腕がスパイラルしているということです。(図4) |
図4 リリース前後での回旋運動(外>内)
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このRSSCの捻り戻しのタイミングを調整することでリリース時の手の向きを変えて、 |
シュートやスライダーなどの変化球を投げることが可能です。 |
# グローブの使い方 |
投球時には、ついつい投球腕を意識しがちですが、すると逆にグローブをはめる腕が |
投球の邪魔をしてしまう場合があります。(図5) |
図5 グローブ邪魔!
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図5を見ると、上体は鋭くスピンしているのに対し、グローブ腕は上体の回転に逆らうように |
その場に残り続けようといわんばかりに邪魔しています。 |
これでは見た目も実際もいいボールを投げられそうにありません。邪魔で仕方ないです。
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基本的に、グローブ腕は投球の邪魔にならないところに収めておけばOKです。 |
意識の仕方としては、ある程度開きを我慢し、その後小さく腕をたたんで脇に収め、 |
上体の回転とともに左肩ごと引っ張るつもりで行うと邪魔することがなくなります。
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体の開きを抑え、体のスピンをアシストし、腕で目標を指すので |
このグローブ腕の使い方次第で、球速、制球が向上します。
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また、伸ばした状態が長いと上体のスピンを邪魔する(慣性モーメントが大きくなりすぎる)ので |
そのあたりは各自で研究して、自分の理想の形を追い求めることが重要です。 |
個人的意見では西武松坂投手や巨人工藤投手あたりがお手本になると思います。 |
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