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# 4シームと2シーム |
基本的な縫い目のパターンには4シームと2シームという2つのパターンがあります。 |
一般的なバックスピンストレートは4シームで、2シームはムーヴィング系のボールです。 |
ではまず4シームと2シームの違いについて説明します。 |
―――4シーム(フォーシーム) |
まず4シームですが、この4シームという名前の由来は、1回転するうちに4回縫い目が通ることから |
フォーシーム(シーム=縫い目)と呼ばれています。下の図をバックスピンさせると、 |
横方向の縫い目が4回見えますよね。だからフォーシームです。 |
これがフォーシーム。バックスピンさせると横方向の縫い目が4回現れる。 |
―――2シーム(ツーシーム) |
2シームは同じ原理で、1回転すると横方向の縫い目が2回現れることからツーシームと呼ばれます。 |
ツーシーム。回転させると横方向の縫い目が2回。縦方向の長い縫い目は無視。 |
―――違う!握る縫い目の数じゃない! |
ある書籍では、4シームは握る上で縫い目を4つ握り、2シームは縫い目を2つ握ることから由来と |
書かれていましたが、明らかな間違いです。いい加減すぎます。 |
4シームなんて縫い目のある部分を4つ握るなんてまず不可能ですし・・・過信禁物です。 |
―――縫い目の数が与える影響 |
この縫い目の現れる数は、バックスピンでの球質に大きな差を与えます。 |
速い球を投げるためにはボールの空気抵抗は少ない方が有利です。もちろん縫い目もないほうが |
空気抵抗が少なくなります。それならば縫い目が現れる数が少ない2シームのほうが有利のように |
思いますが、球速が速くなると、ボールの空気抵抗よりも、ボールの後部に生まれる空気の流れが重要なのです。
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ボールが投げられるとボール後部には空気の流れによって渦が生まれます。 |
この渦は、ツルツルしたようなボールだと大きな渦となり、抵抗の大きい |
縫い目があるようなボールだと渦は小さく作られます。そして渦には、気圧が低くなるという特徴があります。
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気圧が低いと、ボールにはその気圧の方向へと力がかかります。後で説明するベルヌーイの定理というモノです。 |
つまり渦の大きな、つるつるしたボールには大きなブレーキがかかり、縫い目のあるボールには |
つまり、縫い目が少ない2シームには大きな渦、縫い目が多い4シームには小さな渦が生まれるのです。 |
ボール後部に大きな渦のツーシーム |
ボール後部に小さな渦のフォーシーム |
4シームと2シームでは2シームのが渦は大きいためにブレーキ効果は2シームのほうが大きいのです。 |
―――フォーシームが伸びる理由、マグナスとベルヌーイ |
ここで改めて、フォーシームが伸びる理由を解説します。 |
1つは、今説明した、縫い目が通る数が多く、ボール後部の渦が小さいのでブレーキが少ないこと、 |
もう一つはボールが回転することによってマグナスが発生するからです。
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ではまず実験してみましょう。下の図のように、紙を用意して、紙の上に息を吹きかけてみてください。 |
黒が紙、赤が吹きかける息、青が加わる力 |
すると、紙の上側にしか息を吹きかけていないにも関わらず、紙は上へと持ち上がります。 |
これはベルヌーイの定理といって、息によって紙上側の空気の流れが速くなって気圧が下がり、 |
それによって紙には上へと持ち上げられる力が働くというものです。
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これをバックスピンのボールで考えるとすると、バックスピンしているボールが進むと、 |
空気の流れとボール上側の空気の流れが同じ方向であるために流れが速く、気圧が低くなります。 |
気圧が低いと、ボールはその方向へ力が働きます。これがベルヌーイの定理ですが、 |
この定理によって、このボールには上向きのマグナスという力が働いています。
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フォーシームは縫い目が通る数が多いため、空気力への影響が多いため、2シームよりも伸びるという訳です。 |
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